Shopifyでポイントや会員ランクを始めようとすると、候補がすぐに二桁になります。先に結論を書きます。主要な7本はすべて無料プランから始められます。だから「無料で試せるか」は選ぶ基準になりません。判断が要るのは、料金が何に連動して増えるかです。月間注文数で上がるアプリと、会員(顧客)数で上がるアプリの2系統に割れていて、同じ売上でも請求額が逆転します。
この記事は、1〜3人で運営していて月に数十〜数百件の注文があるストアを想定しています。その規模なら、いきなり月$199級のプランを検討する必要はありません。無料枠の中身と、伸びたときにどこで切れるかを見比べて決めます。なお、還元率を何%にするかはアプリ選びとは別の問題で、原資の考え方は割引設計の基本で扱っています。全カテゴリの一覧はShopifyおすすめアプリまとめにあります。
比較表: 価格と無料枠(2026年8月時点)
Shopify App Storeの掲載ページで確認できた範囲を並べます。価格は2026年8月時点のもので、掲載は変わることがあります。導入前に各アプリのページで確かめてください。
| アプリ | 課金単位 | 無料枠 | 有料プラン | 日本語 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
Smile | 月間注文数 | 無料プランあり | エッセンシャル $15/月(月500注文)/スタンダード $79/月(1,000件)/グロース $199/月(2,500件・超過100件ごと$20) | 対応言語に含む | ポイントと紹介の定番。段階が細かい |
easyPoints | アクティブ顧客数 | フリー(300人まで・301人目から$0.30/人) | ベーシック $50/月(500人)/プロ $180/月(2,000人)/エンタープライズ $425/月(5,000人) | 英語・日本語 | 会員数課金。注文が増えても料金は動かない |
どこポイ | ユーザー数 | ライト(100ユーザーまで・超過1人$0.25) | ベーシック $49/月(1,000人・超過$0.2)/プロ $199/月(2,000人・超過$0.12)/エンタープライズ $997/月(無制限) | 日本語のみ | 日本製。商品別付与率など付与側が細かい |
Growave | 月間注文数 | FREE(月200注文・Growaveのブランディング表示あり) | ENTRY $15/月(500注文・超過100件ごと$20)/GROWTH $199/月/PLUS $499/月 | 対応言語に含む | レビューとウィッシュリストも同じ1本に入る |
Joy | 月間注文数 | スタータープラン(月150注文) | プロフェッショナル $29/月(500件・超過100件ごと$15)/アドバンスト $129/月(2,000件・同$10)/エンタープライズ $499/月(7,000件・同$5) | 対応言語に含む | 会員ランクとカート引き換えはアドバンスト以上 |
Appstle Loyalty | 月間注文数 | FREE(月250注文) | STARTER $10/月(500注文)/BUSINESS $30/月(2,000注文)/BUSINESS PREMIUM $100/月(5,000注文・超過1注文$0.05) | 掲載は英語のみ | 有料の入口が$10。年払いで20%割引 |
LoyaltyLion | 月間注文数 | Free plan(月400注文) | Classic $199/月(月500注文)/上位のAdvanced・Plusは要問い合わせ | 掲載は英語のみ | 無料枠が7本で最も広い。次の段が$199 |
表の「無料枠」の書き方が揃っていない点に意味があります。切れ方そのものが違うからです。注文数で切れるアプリは、会員が増えても注文が増えなければ料金が動きません。人数で切れるアプリは、その逆です。Smileの無料プランについては、掲載の料金表から注文上限を読み取れなかったため、ここでは「無料プランあり」とだけ記載しています。
選び方の軸
第一に、課金単位です。Smile・Growave・Joy・Appstle Loyalty・LoyaltyLionは月間注文数、easyPointsとどこポイは顧客(会員)数でプランが上がります。この違いは規模が伸びたときに効きます。少数の会員が何度も買うストアは、注文数課金だと早くプランが上がりますが、顧客数課金なら同じ人が何回買っても料金は変わりません。逆に、毎月新しい人が1回ずつ買うストアは、顧客数課金のほうが先に上限へ当たります。自分のストアがどちらの型かを先に決めてから、料金表を見てください。リピート構造そのものの見方はリピート率を上げるで整理しています。
第二に、無料枠がどこで切れるかです。無料枠が注文数で切れるアプリは、Joyが月150注文、Growaveが月200注文、Appstle Loyaltyが月250注文、LoyaltyLionが月400注文。人数で切れるeasyPointsとどこポイは、上限を超えても有料プランに切り替わるのではなく、1人あたりの従量課金が乗る形です。easyPointsは301人目から$0.30/人、どこポイは基本100ユーザーを超えた分が1人$0.25で、どこポイは14日間の無料体験中もこの従量課金が発生すると掲載されています。「無料インストール」という表記でも、会員が増えれば請求は立ちます。Growaveの無料プランにはGrowaveのブランディング表示が入る点も、掲載に明記されています。
第三に、日本語がどの層まで通るかです。Smile・easyPoints・どこポイ・Growave・Joyは対応言語に日本語を含みます。LoyaltyLionとAppstle Loyaltyの掲載対応言語は英語のみです。App Storeのページ自体は日本語で表示されますが、それはShopify側の翻訳であって、アプリの管理画面やストアフロントのウィジェットが日本語になるかとは別の話です。英語のみのアプリを選ぶ場合は、買い手の目に触れる「ポイント」「残高」「引き換え」といった文言を自分で書き換える作業が、導入時に一度まとめて発生すると見込んでください。
第四に、ポイントをどこで使わせるかと、実店舗を含めるかです。「カートでポイントを使える」は製品によって中身が違うため、一括りにできません。どこポイはポイント利用をディスカウントと商品交換の両方で掲載しています。Joyはカートドロワーでの引き換えを持ちますが、これはアドバンスト($129/月)以上の機能です。Appstle Loyaltyはストアクレジットと商品交換が基本で、チェックアウトで直接ポイントを使えるのはBUSINESS PREMIUM($100/月)かつShopify Plusのストアに限られます。LoyaltyLionは割引リワードの記載で、カート内UIの明示はありませんでした。実店舗のPOSと繋ぐ場合も、Appstle LoyaltyはSTARTER($10/月)から、JoyはアドバンストのPOSロイヤルティ拡張機能から、LoyaltyLionはClassic($199/月)から、と入り口の階層が違います。
各アプリの位置づけ
Smile は世界的な定番で、無料プランから段階的に上がる料金設計です。有料はエッセンシャル$15/月(月500注文)、スタンダード$79/月(1,000件)、グロース$199/月(2,500件、超過は100件ごと$20)。14日間の無料体験がつき、対応言語に日本語が含まれます。月500件までが$15に収まるので、注文が伸びている途中のストアでも次の月額が読めます。特別に尖った機能で選ぶというより、費用の見通しが立つことを重視する場合の第一候補です。
easyPoints は開発元がLunarisで、対応言語は英語と日本語。課金がアクティブ顧客数ベースなのが最大の特徴です。フリーは無料インストールで300人まで、301人目から1人$0.30が加算されます。ベーシック$50/月で500人、プロ$180/月で2,000人、エンタープライズ$425/月で5,000人。会員数が読めていて、1人あたりの購入回数が多いストアほど有利になる料金体系です。逆に、休眠会員が積み上がっているストアは、注文が増えていないのに料金だけ上がる可能性があります。
どこポイ はRewire Inc.の日本製アプリで、対応言語は日本語のみです。ライトは無料インストールで基本100ユーザーまで、超過は1人$0.25(14日間の無料体験中も従量課金は発生すると掲載されています)。ベーシック$49/月で1,000ユーザー・超過$0.2、プロ$199/月で2,000ユーザー・超過$0.12、エンタープライズ$997/月でユーザー数無制限。掲載されている機能は、商品別付与率や会員登録ポイントといった付与側の細かい設定、ディスカウントと商品交換の両方でのポイント利用、POSやレビューなどの外部アプリ連携、Shopify Flow連携(定期実行トリガーはプロ以上)です。開発サイト向けに追加料金なしのディベロッパープランもあります。英語圏向けの多言語対応が無い代わりに、日本のポイント運用で先に求められる設定が最初から並んでいるタイプです。
Growave は、ポイントだけでなくレビューとウィッシュリストを1本に統合したアプリです。FREEは月200注文までで、Growaveのブランディング表示が入ります。ENTRY $15/月(500注文、超過は100件ごと$20)、GROWTH $199/月、PLUS $499/月で、14日間の無料体験つき。対応言語に日本語を含みます。レビューやお気に入りをこれから入れる予定なら、アプリの本数とテーマへの埋め込み作業をまとめて減らせるのが利点です。それぞれ単体で選ぶ場合の候補はShopifyレビューアプリ比較とShopifyウィッシュリストアプリ比較にまとめています。
Joy は対応言語8言語に日本語を含み、無料枠の中身が比較的厚いアプリです。スタータープランは無料で月150注文まで、基本のポイントプログラム・紹介プログラム・ロイヤルティウィジェット・カスタムメールが使えます。プロフェッショナル$29/月は500件まで(以降100件ごと$15)で、専用ロイヤルティページ・ポイント有効期限・Shopify Flowを含む30以上の連携。アドバンスト$129/月は2,000件まで(同$10)で、ここからVIPレベル・カートドロワーでの引き換え・POSロイヤルティ拡張機能・自動翻訳が入ります。エンタープライズは$499/月で7,000件まで(同$5)。会員ランクとカートでの引き換えが導入目的なら、実質アドバンストからの検討になる、という点だけ先に押さえておいてください。
Appstle Loyalty は、同じ注文規模で並べたときの月額が明確に安い側です。FREEが月250注文まで(ポイント獲得ルール、ロイヤルティページとストアクレジット、紹介プログラム、分析とエクスポート)、STARTER $10/月が500注文(ウィジェットのカスタマイズ、サイト内のロイヤルティナッジ、Shopify POS対応)、BUSINESS $30/月が2,000注文(VIPプログラム、ポイント有効期限、ポイントでの無料商品交換)、BUSINESS PREMIUM $100/月が5,000注文(超過は1注文$0.05、Shopify Plus向けのチェックアウトでのポイント利用)。年払いで20%割引がつきます。掲載対応言語は英語のみなので、文言を自分で日本語に差し替える手間を織り込めるかが判断の分かれ目です。
LoyaltyLion は無料枠が7本のなかで最も広く、月400注文まで使えます。Freeでもサイト内アクションへのポイント付与、割引リワード、ロイヤルティ分析と顧客セグメント、リアルタイム通知が掲載されています。Classicは$199/月で月500注文まで(超過は要問い合わせ)、VIPロイヤルティ階層・POS店舗対応・無制限インテグレーション・Klaviyoでのロイヤルティフロー構築・ロイヤルティ起因の売上レポート・14日間の無料体験。上位のAdvancedとPlusは掲載に金額がなく、個別見積りです。無料と$199のあいだに段が無いので、無料枠のうちに効果を測って$199に見合うかを判断する、という使い方になります。対応言語は英語のみです。
番外: VIP(年間契約・大規模向け)
VIP - 会員プログラム(Stack Inc)は、対応言語が日本語と韓国語で、オンラインストア・実店舗・モバイルアプリの会員プログラムを一元管理することを掲げています。ただし料金体系が上の7本と別物です。ベーシックが年間契約で$3,600/年(掲載では月額5万円ベース、為替レートに基づくドル建て請求)、エンタープライズが$24,000/年(月額30万円〜)。対象年間売上が3億円を超えると、1億円を超えるごとに更新時60万円の従量課金がかかるとも書かれています。加えて、Shopifyの請求書とは別にStack Incによる外部請求が発生する場合があると掲載に明記されています。月額$10〜$500のレンジで比較している段階のストアが検討する価格帯ではないため、比較表からは外しました。
迷ったときの決め方
上の7本を、条件で1〜2本まで絞ります。
- 少数の会員が何度も買う型で、会員数が読める: easyPoints かどこポイ。日本語UIだけで完結させたいならどこポイ。
- レビューやウィッシュリストもこれから入れる: Growave。月200注文まではブランディング表示つきで無料。
- 月額を最優先し、英語の文言を自分で日本語に書き換えられる: Appstle Loyalty。$10でPOS、$30でVIPまで届きます。
- 会員ランクとカートでの引き換えを日本語UIで揃えたい: Joyのアドバンスト($129/月)。
- まず数か月、無料のまま効果を測りたい: LoyaltyLionのFree(月400注文)。ただし次が$199です。
- 上のどれにも当てはまらない: Smile。$15から$199まで注文数で素直に上がるので、後から読み替えやすい構成です。
アプリを入れただけではポイントは動きません。残高や失効予告をどこで届けるかまで含めて設計してください。メールとLINEの使い分けはメールとLINEの役割分担、LINE側のアプリ選定はShopify LINE連携アプリ比較にあります。
まとめ
- 7本とも無料プランから始められます。無料かどうかは判断材料になりません。
- 料金の連動先が2系統に割れています。注文数課金がSmile・Growave・Joy・Appstle Loyalty・LoyaltyLion、顧客数課金がeasyPointsとどこポイです。
- easyPointsとどこポイの無料プランは、上限を超えると1人あたりの従量課金が乗ります。無料インストールでも請求は立ちます。
- 掲載対応言語に日本語を含むのはSmile・easyPoints・どこポイ・Growave・Joyの5本。LoyaltyLionとAppstle Loyaltyは英語のみです。
- 「カートでポイント利用」の中身はアプリごとに違い、Joyはアドバンスト以上、Appstle Loyaltyのチェックアウト利用はShopify Plus限定です。
- VIPは年間契約$3,600〜で価格帯が別のため、7本の比較とは分けて考えてください。
参照元
価格・無料枠・対応言語は、次のShopify App Store掲載ページを2026年8月25日に確認したものです。
Smile・easyPoints・どこポイ・Growave・Joy・Appstle Loyalty・LoyaltyLion・VIP - 会員プログラム