Shopifyで定期購買を始めようとしてアプリを探すと、「無料プランあり」と書かれたアプリがいくつも並びます。先に結論を書きます。この8本のうち、無料のまま本番の定期購買を回せるのは4本だけです。残りの4本は、無料プランがテストモード限定で本番販売に使えないか、そもそも無料プランがありません。同じ「無料」という表示の下に、まったく違う3つの型が混ざっています。
この記事は、1〜3人で運営していて月に数十〜数百件を捌いているストアが、単発販売に定期購買を足す場面を想定しています。その規模なら、契約が数十件に届くまでは月額を払わずに運用できる可能性が十分にあります。逆に、契約が伸びたときにどこで課金が始まり、売上に何パーセント乗るのかを先に見ておかないと、あとから乗り換えることになります。定期購買アプリの乗り換えは既存契約の移行を伴うので、レビューアプリなどと違って簡単ではありません。最初の選択が長く効きます。
比較表: 価格と無料枠(2026年8月時点)
Shopify App Storeの掲載ページで確認できた範囲だけを並べます。価格はすべて掲載表記そのままで、Shopify純正以外はUSD建てです。掲載内容は変わることがあるので、導入前に各アプリのページで確かめてください。並び順は、無料枠の型が近いものをまとめてあります。
| アプリ | 無料枠 | 有料プラン | 日本語 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
Shopify Subscriptions | 無料(上限の記載なし) | 掲載なし | 対応言語に含む | Shopify純正。掲載上は追加費用なし |
Seal Subscriptions | 契約50件まで・本番運用可・取引手数料0% | $5.95/月(100件)・$9.95/月(250件)・$24.95/月(500件) | 対応言語に含む | 契約数だけで課金。取引手数料の記載なし |
Loop Subscriptions | 契約50件まで・本番運用可 | Starter $99/月+1.0%・上位 $399/月+0.75% | 掲載は英語のみ | バンドル・解約フロー・顧客ポータル |
Appstle Subscriptions | サブスク売上 月$500まで・本番運用可 | $10/月(月$5,000まで・取引手数料0%)・$30/月(月$15,000まで) | 掲載は英語のみ | build a box・補充・キュレーション |
定期購買(ハックルベリー) | テストモード限定(本番販売は不可) | STANDARD $49/月+取引手数料1%・ENTERPRISE $299/月+1% | 日本語(日本製) | 日本製。掲載の対応言語は日本語のみ |
Mikawaya Subscription | テストモード限定(本番販売は不可) | Light $12/月+3%・Standard $49/月+1%・Pro $499/月+1% | 日本語(日本製) | 日本製。$12の入口プランがある |
Recharge Subscriptions | なし(無料体験のみ) | $25/月(最初の50契約者まで手数料無料)・$99/月+1.49%+19¢・$499/月+1.34%+19¢ | 掲載は英語のみ | 契約者のライフサイクル最適化・LTV最大化 |
Bold Subscriptions | なし(無料体験のみ) | $24.99/月+2%・$49.99/月+1%・$74.99/月+0.9% | 掲載は英語のみ | 契約の各段階でのアップセル訴求 |
選び方の軸
比べる点は3つに絞れます。無料枠の切れ方、日本語がどこまで通るか、取引手数料が乗るかどうかです。機能の細かい差より、この3つのほうが月々の請求書と運用の手間に直結します。
第一に、無料枠の切れ方です。定期購買アプリの「無料」は、掲載ページを開くと3つの型に分かれます。ひとつめはテストモード限定型で、ハックルベリーの定期購買とMikawaya Subscriptionがこれにあたります。ハックルベリーのFREEプランは掲載に「Shopify Paymentテストモード」と書かれており、MikawayaのFreeプランも同じくテストモード限定です。無料で操作を試すことはできますが、実際の買い手から代金を受け取る運用はできません。ふたつめは上限つきで本番運用できる型で、Seal Subscriptionsが契約50件まで、Loop Subscriptionsが契約50件まで、Appstle Subscriptionsがサブスク売上で月$500まで無料です。みっつめは無料プランを持たない型で、RechargeとBold Subscriptionsは無料体験のみです。Shopify Subscriptions(公式)は掲載上「無料」とだけ書かれており、契約数や売上の上限は記載されていません。
第二に、日本語の層です。掲載ページの対応言語に日本語が含まれるのは、Shopify Subscriptions、定期購買(ハックルベリー)、Mikawaya Subscription、Seal Subscriptionsの4本です。Recharge、Loop、Appstle、Boldの4本は「このアプリは日本語に翻訳されていません」と明記されています。ここで注意したいのは、日本語対応には管理画面の層と買い手が見る層があることです。定期購買は買い手が自分でスキップ・一時停止・解約を操作する画面を持つため、そこが英語のままだと問い合わせが増えます。文言を自分で書き換えられるアプリも多いので使えないわけではありませんが、導入時に顧客ポータルと通知メールの文面を全部日本語にする作業が一度発生する、と見込んでおくのが現実的です。
第三に、取引手数料です。月額とは別に、定期購買の売上に対して%が乗るアプリがあります。Mikawayaは$12のLightプランで3%、$49のStandard以上で1%。ハックルベリーは$49と$299のどちらも1%。Boldは$24.99で2%、$74.99で0.9%と、月額が上がるほど%が下がる設計です。Rechargeは$99プランで1.49%+19¢、Loopは$99のStarterで1.0%。一方、Sealは無料プランに「0%取引手数料」と明記され、有料プランも契約数の上限だけが変わる形で追加手数料の記載がありません。Appstleも$10のSTARTERで取引手数料0%と書かれています。定期購買は売上が積み上がる性質があるので、%が乗るかどうかは伸びるほど効きます。月商が小さいうちは1%も数ドルですが、判断するときは「今の月商」ではなく「1年後に見込む定期購買の月商」で計算してください。
各アプリの位置づけ
Shopify Subscriptions はShopify純正の定期購買アプリで、掲載ページに書かれているのは料金が無料であることと、対応言語に日本語が含まれることの2点です。契約数や売上の上限は掲載に記載がありません。最初に試す先としてはここが基準になります。純正なので管理画面の中に自然に収まり、日本語もそのまま通ります。まずこれを入れてみて、必要な機能が足りないと分かった時点で他を検討する、という順番なら無駄がありません。
Seal Subscriptions は、無料プランのまま本番運用できて、かつ日本語が対応言語に含まれる数少ない1本です。無料プランは「Unlimited revenue, up to 50 subscriptions」と書かれており、売上の上限はなくアクティブ契約が50件まで。取引手数料0%、多言語翻訳、自動課金と定期請求書、商品スワップ、配送コストの自動再計算、階層割引、APIとWebhookのフルアクセスまで無料プランに含まれると掲載されています。契約が増えたら$5.95で100件、$9.95で250件、$24.95で500件と、契約数だけを買い足す料金体系です。50件を超えても月額が跳ねないので、小さく始めて伸びを見たいストアにはいちばん読みやすい設計です。
Loop Subscriptions の無料プランも契約50件まで本番運用でき、モバイル対応の顧客ポータル、契約更新の顧客向け通知、売上分析が含まれます。ただし次のStarterプランが$99/月+取引手数料1.0%で、50件を超えた瞬間に費用が一段跳ねます。掲載の対応言語は英語のみです。バンドル(固定・自由選択の両方)、ワンクリックのチェックアウトリンク、ブランド化した顧客ポータルといった機能が有料側に集まっているので、50件の壁を越える前提で、その先の機能に$99/月を払う価値があるかで判断するアプリだと考えたほうが正確です。
Appstle Subscriptions は無料枠の切り方が他と違い、契約数ではなくサブスク売上の月$500までが無料です。有料はSTARTERが$10/月で月$5,000まで(取引手数料0%)、BUSINESSが$30/月で月$15,000まで。月額の刻みが細かく、売上が伸びた分だけ段階的に上げていけます。掲載の対応言語は英語のみです。build a box、補充、キュレーションといった箱づめ型の定期購買が掲載で前面に出ているので、毎月中身を組み替えて届ける売り方を考えているなら候補に入ります。
定期購買(ハックルベリー) は日本製で、掲載の対応言語は日本語のみです。管理画面も買い手が見る画面も最初から日本語なので、文言の差し替え作業が発生しません。ただしFREEプランはShopify Paymentのテストモード限定で、本番販売にはSTANDARD $49/月+取引手数料1%からになります。無料で運用を続ける選択肢がない代わりに、最初から日本語で完結する点にお金を払う形です。日本語のサポート窓口を重視する場合も、ここが分かりやすい選択になります。
Mikawaya Subscription も日本製で、掲載の対応言語は日本語のみ。Freeプランがテストモード限定である点はハックルベリーと同じですが、有料の入口がLight $12/月と安く設定されています。ただしLightはサブスク販売手数料3%で、Standard $49/月とPro $499/月の1%より高い設定です。定期購買の月商が小さいうちはLightの3%のほうが総額で安く、伸びてくるとStandardの$49+1%が逆転します。掲載の数字で自分の見込み月商を当てはめて、どこで入れ替わるかを一度計算してから選んでください。
Recharge Subscriptions は北米の大手ブランドでの採用実績を掲載で前面に出しているアプリで、契約者のライフサイクル最適化とLTV最大化が訴求の中心です。無料プランはなく、$25/月のプランは「最初の50契約者までは取引手数料なし、それ以降は手数料が発生する」と明記されています。上位は$99/月で1.49%+19¢/取引、$499/月で1.34%+19¢/取引。掲載は英語のみで、詳細な価格は外部の料金ページに誘導されています。規模が大きくなってから本格的に定期購買へ投資する段階のアプリで、これから始めるストアの1本目には重い選択です。なお掲載URLのhandleは subscription-payments で、名前の似た別アプリと取り違えやすいので注意してください。
Bold Subscriptions は無料プランがなく、$24.99/月+2%、$49.99/月+1%、$74.99/月+0.9%の3段階です。月額を上げるほど取引手数料が下がる設計なので、定期購買の月商が大きいほど上位プランのほうが総額で安くなります。掲載は英語のみ。契約のライフサイクル各段階でのアップセルによる客単価とリカーリング売上の最大化を訴求しています。すでに定期購買が回っていて、アップセル前提で組み直したいときに検討する位置づけです。
迷ったときの決め方
上から順に当てはめて、最初に該当したところで止めてください。
- まず何も足さずに始めたい、日本語で完結させたい → Shopify Subscriptions(公式)。掲載上は無料で、対応言語に日本語が含まれます。足りない機能が具体的に分かってから乗り換えれば十分です。
- 公式で足りず、無料のまま本番で回したい。日本語も要る → Seal Subscriptions。契約50件までなら取引手数料0%で運用でき、超えても$5.95から契約数を買い足す形なので費用が跳ねません。
- 日本語のサポートと日本語UIを最優先で、月$49の固定費は許容できる → 定期購買(ハックルベリー)。無料での本番運用はできないと割り切る前提です。
- 定期購買の月商がまだ小さく、日本製で安く始めたい → Mikawaya Subscription のLight $12/月。ただし手数料3%が上位プランの1%より高いので、伸びたらStandardへの切り替えを前提に置きます。
- 箱づめ型・自由選択型の定期便を作りたい。英語の管理画面は許容できる → Appstle Subscriptions。月$500の売上までは無料で、$10と$30の刻みで段階的に上げられます。
- すでに定期購買が主力で、バンドルや解約フロー、アップセルに投資したい → Loop・Recharge・Bold のいずれか。ただし3本とも掲載は英語のみで、買い手が見る文言の日本語化は自分で行うことになります。
どれを選ぶ場合でも、掲載ページの料金と実際の請求は別物になり得ます。取引手数料が乗るアプリは、見込む定期購買の月商に%を掛けて月額に足した金額で比べてください。
まとめ
- 定期購買アプリの「無料」は3型に分かれます。テストモード限定(ハックルベリー・Mikawaya)、上限つきで本番運用可(Seal・Loop各50契約、Appstle 月$500)、無料プランなし(Recharge・Bold)です。
- 掲載の対応言語に日本語が含まれるのは、Shopify Subscriptions・定期購買(ハックルベリー)・Mikawaya・Sealの4本。残り4本は英語のみと明記されています。
- 取引手数料の有無が長期の差になります。Sealの無料プランは0%、Appstleの$10プランも0%。Mikawayaの$12プランは3%で、上位の1%より高い設定です。
- 無料のまま本番で回せて日本語も通るのは、公式とSealの2本です。まず公式を試し、足りなければSealを見る順番が無駄になりません。
- 定期購買はアプリの乗り換えに既存契約の移行が伴います。契約が増えたあとの月額と手数料まで見てから決めてください。
- 定期購買を入れる目的がリピート率の底上げなら、リピート率を上げる打ち手の整理と割引設計の考え方も合わせて読んでください。全カテゴリの一覧はShopifyアプリおすすめまとめにあります。
参照元
価格・無料枠・対応言語は、次のShopify App Store掲載ページを2026年8月25日に確認したものです。
Shopify Subscriptions・定期購買(ハックルベリー)・Mikawaya Subscription・Seal Subscriptions・Appstle Subscriptions・Loop Subscriptions・Recharge Subscriptions・Bold Subscriptions