「よくある質問」のページを作ろうとしてアプリを探し始めた人に、先に結論を書きます。FAQページは、多くの場合アプリなしで作れます。固定ページを1枚作り、テーマの折りたたみ(アコーディオン)セクションで質問と答えを並べれば、それだけで公開できます。月額を払う価値が出てくるのは、質問が数十件を超えて分類が必要になったとき、商品ページごとに違うFAQを出したいとき、あるいは多言語で運用するときです。
この記事は、1〜3人で運営していて月に数十〜数百件の注文があるストアを想定しています。その規模なら、まず必要なのは質問を増やすことではなく、実際に来ている問い合わせを10個書き出すことです。そのうえでテーマで足りるかを判断し、足りない場合にアプリを選びます。8本の掲載内容を並べて、どこで無料枠が切れるかを比べました。
まずテーマとページで足りるか
FAQに必要な部品は、質問の見出しと、クリックで開く答えの2つだけです。多くのテーマには折りたたみ表示のセクションやブロックが用意されているので、固定ページに質問を並べる形なら追加費用はかかりません。まずこの形で公開してみるのが遠回りになりません。
アプリが必要になるのは、次のどれかに当てはまったときです。
- 商品ページごとに違うFAQを出したい(サイズ、素材、洗濯表示など商品固有の質問)
- 質問が多すぎて、訪問者が検索して探す必要がある
- カテゴリ分けが必要な量になった(配送・返品・支払い・会員など)
- 日本語以外の言語でも同じFAQを出す必要がある
- FAQPage構造化データを出力したい
5番目については補足が要ります。FAQの構造化データを入れると検索結果にQ&Aが展開表示される、という説明を見かけますが、Googleは一般のサイト向けにFAQのリッチリザルトを表示するのをやめています。構造化データそのものを目的にアプリを選ぶ理由は、いまは薄いと考えてください。
なお、FAQを充実させる目的が「問い合わせを減らすこと」なら、アプリより先に見る場所があります。返品条件や配送日数のように、商品ページやカートの近くに書いてあるべき情報がFAQページの奥に埋まっていると、問い合わせは減りません。この考え方は問い合わせを減らすページ設計にまとめています。返品・交換の条文そのものは返品・交換ポリシーの作り方、配送日数の書き方は配送リードタイムの伝え方を参照してください。すでに来ている問い合わせへの返信文は問い合わせ返信テンプレートにあります。
比較表: 価格と無料枠(2026年8月時点)
Shopify App Storeの掲載ページで確認できた範囲を並べます。価格はすべて掲載どおりの米ドル建てで、円換算はしていません。掲載内容は変わることがあるので、導入前に各アプリのページで確かめてください。
| アプリ | 無料枠 | 有料プラン | 日本語 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
HelpLab FAQ Page, Product FAQs | Basic 無料(FAQ 10件まで) | Essentials $3.99/月(FAQ 30件・検索)/Professional $7.99/月(FAQ無制限・多言語)。有料は5日間の無料体験 | なし(未翻訳) | FAQの件数で3段に切れる。商品ページ内FAQはProfessional |
Corner FAQ Page & Help Center | Free(3カテゴリ・記事4件まで) | Standard $5.99/月(10カテゴリ・記事20件・FAQ schema)/Pro $11.99/月(FAQ無制限・多言語・カスタムCSS)。14日間の無料体験 | なし(未翻訳) | カテゴリ数と記事数で切れる。FAQ schemaの明記あり |
FAQPRIME: FAQ, WhatsApp, Track | FREE FOREVER(FAQ 25件・注文追跡ページ・WhatsApp連携) | PRO $10/月(FAQ 50件・ブランディング除去)。3日間の無料体験 | なし(未翻訳) | 無料枠のFAQ件数がこの8本で最多 |
POWR: FAQ Page | Help Center | Free(FAQ 5件・1カテゴリ) | Starter $4.84/月(10件・2カテゴリ・検索バー)/Pro $9.79/月(15件・3カテゴリ・カスタムCSS)/Business $98.99/月(無制限+POWRの60以上のアプリ込み) | なし(未翻訳) | 有料でも件数上限が続く。無制限はBusinessのみ |
EasySlide Accordion tabs & FAQ | なし | PREMIUM PLAN $5/月の単一プラン(ウィジェット無制限・翻訳)。7日間の無料体験 | なし(未翻訳) | 商品説明をタブ・アコーディオンに畳む用途が主 |
RT: Instant FAQ, Help Center | 無料のみ(FAQ無制限・検索バー) | なし(有料ティアの記載なし) | なし(未翻訳) | 無料でFAQ無制限。各種チャットアプリへの連携つき |
AMP: FAQ Page & Help Center HQ | なし | Premium $19.99/月の単一プラン(インスタント検索・タブ/サイドバー表示・複数言語)。7日間の無料体験 | なし(未翻訳) | 検索と表示レイアウトに寄せた単一プラン |
SB: Helpdesk, Live Chat & FAQs | Free(チケット10件/月・記事10件まで) | Basic $5.99/月(チケット50件・FAQ無制限・多言語FAQ 3言語)/Standard $19.99/月(300件・翻訳5言語)/Advanced $49.99/月(1,000件・翻訳無制限)。各ティアの超過分は$0.1〜$0.25/チケットの従量。14日間の無料体験 | なし(未翻訳) | FAQに加えてチケット・ライブチャットを含む統合型 |
選び方の軸
軸は4つに絞れます。
無料枠はFAQの件数で切れます。HelpLabは10件、POWRは5件、FAQPRIMEは25件、Cornerは記事4件、SBは記事10件です。配送・返品・支払い・サイズ・在庫の5分類で書くと15〜25件になることが多いので、POWRとHelpLabの無料枠は早い段階で足りなくなります。RT: Instant FAQは無料のままFAQ無制限と掲載されており、件数の心配が要りません。有料に上がる前提なら、上がった先の上限も見てください。POWRは有料のProでも15件で、無制限になるのは$98.99/月のBusinessだけです。
2つ目は日本語です。今回の8本は、掲載ページにいずれも「このアプリは日本語に翻訳されていません」と書かれています。8本すべてです。ただしFAQの質問と答えは自分で書く文章なので、買い手が読む中身は日本語になります。英語のまま残りうるのは、管理画面と、ウィジェットに埋め込まれた固定ラベル(検索窓の説明文やカテゴリの見出しなど)です。導入時に、その固定ラベルを設定画面で日本語に差し替えられるかを確認してください。あわせて全アプリのページに「この開発者は日本語での直接的なサポートを提供していません」の注記があるので、詰まったときは英語でやりとりする前提になります。
3つ目は、FAQ専業かヘルプデスク統合型かです。SB: Helpdeskだけが性格の違うアプリで、FAQのほかにチケット管理・ライブチャット・AI応答まで含みます。その代わり価格体系はこの8本でいちばん複雑で、プランごとのチケット数を超えると$0.1〜$0.25/件の従量課金が乗ります。問い合わせの窓口を増やしたいという動機なら、FAQアプリではなくチャット側から選ぶほうが早いこともあります。候補はShopifyチャット・接客アプリ比較に別途まとめています。
4つ目は、商品ページの中にFAQを出せるかです。ここは掲載ページの機能欄に書かれているかどうかで差が出ます。
| アプリ | 商品ページ内FAQ | 検索 | 多言語 | 構造化データの明記 | チケット/チャット |
|---|---|---|---|---|---|
| HelpLab | ○(Professional) | ○(Essentials以上) | ○(Professional) | Google SEO snippetsの表記のみ | × |
| Corner | ○ | ○ | ○(Pro) | ○(Google FAQ schema、Standard以上) | ヘルプセンターページ |
| FAQPRIME | 記載なし | ○ | 記載なし | 記載なし | ○(各種チャット連携・注文追跡) |
| POWR | 記載なし | ○(Starter以上) | 記載なし | SEO最適化の表記のみ | × |
| EasySlide | ○ | × | ○ | 記載なし | × |
| RT: Instant FAQ | 記載なし | ○ | 記載なし | 記載なし | ○(各種チャット連携) |
| AMP: Help Center HQ | 記載なし | ○ | ○ | 記載なし | ヘルプセンターページ |
| SB: Helpdesk | 記載なし(Product Tabsの記載あり) | ○ | ○(3〜無制限言語) | 記載なし | ○(チケット・ライブチャット) |
「記載なし」は、掲載ページの機能欄で確認できなかったという意味です。できないと断定はできませんが、その機能を目的に選ぶなら導入前に開発者へ確認してください。構造化データを明記していたのはCornerだけでした。
各アプリの位置づけ
HelpLab FAQ Page, Product FAQs(Avocados Lab、インド)は、価格の刻みがいちばん細かいアプリです。無料のBasicはFAQ 10件まで、$3.99/月のEssentialsで30件と検索が付き、$7.99/月のProfessionalでFAQが無制限になり多言語と商品ページ内FAQが使えます。月$4前後で検索付きのFAQページを持ちたい、という段階の選択肢として素直です。無料の10件は試運転の枠と考えたほうがいいでしょう。
Corner FAQ Page & Help Center(Corner、インド)は、この8本で唯一、FAQ schemaを掲載ページで明記しています。無料枠は3カテゴリ・記事4件と狭く、$5.99/月のStandardで10カテゴリ・記事20件とFAQ schema、$11.99/月のProでFAQ無制限・多言語・カスタムCSSになります。商品ページ別のFAQアコーディオンも掲載されています。カテゴリで整理された社内ヘルプセンターのような形を作りたいなら、構成が合っています。
FAQPRIME: FAQ, WhatsApp, Track(Oneprime、米国)は、無料枠の広さが目立ちます。FREE FOREVERでFAQとヘルプセンターが25問まで使え、注文追跡ページとWhatsApp連携も無料枠に入っています。$10/月のPROでFAQが50問になり、アプリ側のブランディング表示が消えます。無料のまま20問前後のFAQを公開して様子を見たい場合、いちばん素直に収まります。ただし50問の上限は残るので、質問がそれ以上に増える見込みなら別のアプリを見てください。
POWR: FAQ Page | Help Center(POWR.io、米国)は、FAQ以外にも60以上のアプリを提供している会社の1本です。無料はFAQ 5件・1カテゴリ、$4.84/月のStarterで10件と検索バー、$9.79/月のProで15件とカスタムCSS。件数の上限が有料プランにも続く点が他と違い、無制限にするには$98.99/月のBusinessになります。POWRの他のアプリ(フォーム、ポップアップなど)もまとめて使う予定があるならBusinessの見え方が変わりますが、FAQ単体なら上限に当たりやすい構成です。
EasySlide Accordion tabs & FAQ(NexusMedia、ポーランド)は、名前のとおりアコーディオンのアプリです。無料プランはなく、$5/月のPREMIUM PLANのみ(7日間の無料体験つき)。ウィジェット数は無制限で、翻訳にも対応と掲載されています。用途はFAQページよりも、長い商品説明をタブや折りたたみに畳んで商品ページを短く見せることに寄っています。検索機能の記載はないので、質問を検索させたい場合は候補から外れます。
RT: Instant FAQ, Help Center(RoarTheme、ベトナム)は、有料ティアがなく無料のみで、FAQ無制限・検索バー・即時回答が掲載されています。WhatsApp、Messenger、Telegram、Skype、Viber、Zaloといったチャットへの連携ボタンも付きます。費用をかけずに検索付きのFAQを置きたいなら第一候補になります。ただし掲載ページに有料ティアの記載がなく、上位プランへの移行という逃げ道がない構成なので、導入直後にテーマ側で表示が崩れないかを自分の目で確認してください。
AMP: FAQ Page & Help Center HQ(App HQ、シンガポール)は、無料プランがなく$19.99/月の単一プランです。インスタント検索、タブ表示とサイドバー表示、複数言語が含まれます。この8本のなかでは高めですが、プランの選択で悩む余地がないという性格でもあります。質問が数十件あって訪問者に検索で探させたい、かつ表示レイアウトを作り込みたい段階のアプリです。
SB: Helpdesk, Live Chat & FAQs(Shark Byte、米国)は、FAQアプリというよりカスタマーサポートの基盤です。無料でチケット10件/月・記事10件まで、$5.99/月のBasicでチケット50件とFAQ無制限(OpenAI連携)と3言語のFAQ、$19.99/月のStandardで300件と5言語、$49.99/月のAdvancedで1,000件と翻訳無制限。加えて各ティアの超過分に$0.1〜$0.25/チケットの従量課金があるため、月の問い合わせ件数が読めないうちは費用も読めません。FAQだけが目的なら選ぶ理由は薄く、メールとチャットの問い合わせを1か所にまとめる計画があるときに意味が出るアプリです。
無料だけの3本(番外)
表に載せた8本以外に、無料のみで提供されている3本を挙げておきます。いずれも掲載情報が薄いか実績の蓄積が浅いため、本表とは分けました。
FAQ Star: FAQ Accordion(Tech Wishes Solutions)は無料のみで、機能はアコーディオン表示とカスタムCSSに絞られています。公開は2025年10月と新しく実績はまだ薄いですが、質問を数件並べるだけなら選択肢に入ります。
FAQ Page:Accordion+Help Center(GoodApps)も無料のみで、商品ページ表示・検索バー・カテゴリ分類が掲載されています。ただし対応言語は英語・スペイン語・ポルトガル語の3つで、日本語は含まれません。
Inquiris AI: 商品に関する質問(Applivity、米国)は、この記事で調べた中で唯一、対応言語に日本語が含まれるアプリです。商品ページから直接質問を受け付けてQ&Aとして蓄積する形で、検索と絞り込みも掲載されています。開発者は米国の会社で日本製ではなく、日本語のローカライズがある、という位置づけです。掲載ページからは有料プランの有無を確認できず、利用実績の蓄積もまだありません。管理画面が日本語であることを優先するなら試す価値はありますが、費用の条件は導入前に開発者へ確認してください。
迷ったときの決め方
上から順に当てはまるものを選んでください。
- 質問が15件以下で、分類も検索も要らない → アプリは入れず、固定ページとテーマの折りたたみセクションで作る
- 費用をかけずに検索付きのFAQページが欲しい → RT: Instant FAQ, Help Center(無料でFAQ無制限)
- 無料枠のまま20問前後を運用したい → FAQPRIME(FREE FOREVERで25問)
- 商品ページごとのFAQを出したい → HelpLab(Professional $7.99/月)またはCorner(Standard $5.99/月〜)
- カテゴリ分けと構造化データの明記を重視する → Corner
- 商品説明を折りたたんで商品ページを短くしたい → EasySlide($5/月)
- 多言語のFAQを検索付きで見せたい → AMP: Help Center HQ($19.99/月)
- 問い合わせ窓口ごと1か所にまとめたい → SB: Helpdesk(従量課金の条件を先に確認)
- 管理画面が日本語であることを最優先する → Inquiris AIを試す(費用条件は要確認)
全カテゴリの一覧はShopifyアプリのおすすめまとめにあります。
まとめ
- FAQページは固定ページとテーマの折りたたみセクションで作れる。アプリが要るのは商品ページ別FAQ・検索・カテゴリ量・多言語のどれかが必要になったとき
- 無料枠はFAQの件数で切れる。POWR 5件、HelpLab 10件、FAQPRIME 25件、RT: Instant FAQは無料で無制限
- 今回の8本は掲載ページ上すべて「日本語に翻訳されていません」。ただしFAQの本文は自分で書くので、買い手が読む面は日本語になる
- 商品ページ内FAQを機能欄で明記しているのはHelpLab(Professional)・Corner・EasySlideの3本
- FAQPage構造化データを明記しているのはCornerのみ。ただしGoogleは一般サイト向けのFAQリッチリザルト表示をやめているため、構造化データ目的での選定は優先度が低い
- SB: Helpdeskはチケットの従量課金を含む統合型。FAQだけが目的なら選ぶ理由は薄い
参照元
価格・無料枠・対応言語は、次のShopify App Store掲載ページを2026年8月25日に確認したものです。
HelpLab FAQ Page, Product FAQs・Corner FAQ Page & Help Center・FAQPRIME: FAQ, WhatsApp, Track・POWR: FAQ Page | Help Center・EasySlide Accordion tabs & FAQ・RT: Instant FAQ, Help Center・AMP: FAQ Page & Help Center HQ・SB: Helpdesk, Live Chat & FAQs・FAQ Star: FAQ Accordion・FAQ Page:Accordion+Help Center・Inquiris AI: 商品に関する質問