CSの返信は、1通ずつ考えると時間がかかるうえに品質がばらつきます。担当者が2人になった時点で、同じ質問に違う回答が出る状態が始まります。
先に結論を書きます。テンプレート化の効果は時間短縮より品質の下限を上げることにあります。だから完璧な文章を作る必要はなく、「これ以下にはならない」文面を12個用意すれば十分です。
以下はそのまま使える文例です。◯◯ を自店の情報に置き換えて使ってください。
1. 在庫切れ(再入荷未定)
お問い合わせありがとうございます。
◯◯(商品名)は現在完売しており、再入荷は未定です。
入荷が決まりましたらメールマガジンでお知らせしております。
商品ページのお気に入り(ハート)に追加しておいていただくと、
再訪時に見つけやすくなります。
再入荷未定を「未定」と書くのが要点です。見込みを言うと、その日に来た問い合わせが増えます。お気に入りに保存された数を再入荷の判断材料に使う方法はShopifyの再入荷通知と再入荷判断。お気に入りを受け皿にする方法にまとめました。
2. 発送遅延(自店の都合)
ご注文いただいた商品の発送が、当初の予定より遅れております。
ご不便をおかけし申し訳ございません。
現在の発送予定は◯月◯日です。
お待ちいただくのが難しい場合は、このメールにご返信いただければ
キャンセルの手続きをいたします。
謝罪・新しい予定・キャンセルの選択肢の3点セットにします。理由の説明は簡潔に。長い言い訳は読まれません。
3. 「いつ届きますか」
ご注文ありがとうございます。
◯◯(注文番号)は◯月◯日に発送予定です。
発送後、追跡番号をメールでお送りします。
お届けの目安は発送から◯日程度です(地域・天候により変わります)。
この問い合わせが多い場合は、返信を早くするより先に書いておくほうが効きます(発送までの日数の書き方)。
4. 住所を間違えた(出荷前)
ご連絡ありがとうございます。
発送前ですので、こちらでご住所を修正いたします。
お手数ですが、正しいご住所を「郵便番号・都道府県・市区町村・番地・
建物名・部屋番号」まで、このメールにご返信ください。
「番地・建物名・部屋番号まで」と具体的に列挙するのが要点です。省略されると2往復になります。
5. 住所を間違えた(出荷後)
ご連絡ありがとうございます。
すでに発送済みのため、こちらでの住所変更ができません。
お手数ですが、下記の追跡番号から配送会社へ直接
お届け先の変更をご依頼ください。
追跡番号: ◯◯
配送会社で変更できない場合は、当店へ返送されたのち、
あらためて発送いたします(送料が別途かかります)。
6. 不在で返送された
ご注文の商品が、保管期間の経過により当店へ返送されました。
再発送をご希望の場合は、送料◯◯円をご負担いただく形で
承っております。ご希望をこのメールにご返信ください。
キャンセルをご希望の場合もお知らせください。
代引きの場合の流れは代引きの受取拒否・持ち戻りが起きたときの対応にまとめています。
7. 返品したい(イメージ違い)
ご連絡ありがとうございます。
返品につきましては、商品到着後◯日以内・未使用(タグ付き)の場合に
承っております。
ご返送の送料はお客様負担となります。
ご希望の場合は、下記までご返送ください。
◯◯(返送先)
商品を確認後、◯営業日以内にご返金いたします。
条件は必ずポリシーの記載と一致させます(返品・交換ポリシーの作り方)。
8. サイズ交換したい
ご連絡ありがとうございます。
交換をご希望のサイズをお知らせください。
交換の可否(ご購入からの期間・商品の状態・在庫)を確認のうえ、
ご返送先と手順をご案内いたします。
在庫がない場合は、返品でのご対応をご案内する場合があります。
9. 不良品が届いた
このたびは不良のある商品をお届けしてしまい、申し訳ございません。
状況を確認したいため、可能であれば
・該当箇所の写真
・商品全体の写真
をこのメールに添付してお送りください。
確認後、交換または返金にてご対応いたします。
送料は当店が負担いたします。
写真を依頼する理由(確認のため)を書くと、疑っている印象になりません。
10. 領収書がほしい
お問い合わせありがとうございます。
領収書をPDFにてお送りいたします。
宛名・但し書きのご希望がございましたら、このメールに
ご返信ください(ご指定がない場合は、ご注文者名・
「お品代として」で作成いたします)。
発行手段が決まっていない場合はShopifyで領収書を発行する方法まとめから決めてください。
11. 注文をキャンセルしたい
ご連絡ありがとうございます。
◯◯(注文番号)のキャンセルを承りました。
ご決済分は◯営業日以内に返金処理を行います。
カード会社の締め日により、明細への反映が翌月になる場合があります。
「カード会社の締め日」に触れておくと、返金が見えないという二次問い合わせが減ります。
12. 支払い方法を変更したい
ご連絡ありがとうございます。
ご注文後のお支払い方法の変更は承っておりません。
お手数ですが、現在のご注文をキャンセルのうえ、
ご希望のお支払い方法で再度ご注文ください。
在庫の確保が必要な場合は、その旨お知らせください。
テンプレートが崩れる3つの原因
用意しただけでは品質は安定しません。実際に崩れるのは次の場合です。
- 条件がポリシーとずれる — 期間や送料負担をテンプレートに直接書くと、ポリシー変更時に片方だけ古くなります。数字は極力ポリシーページへリンクで逃がします
- 謝罪から始める癖がつく — 自店に責任がないケースでも謝ると、条件の説明が通らなくなります。事実→選択肢の順を守ります
- 判断が必要な文面をテンプレート化する — 例外対応の文面をテンプレートに入れると、例外が通常運転になります。例外は担当者判断の欄に残します
運用: 置き場所と更新の担当を決める
テンプレートは、置き場所が決まっていないと使われません。Googleドキュメントでも、ヘルプデスクツールの定型文でも構いませんが、次の2つは決めてください。
- 置き場所を1つにする — 個人のメール下書きに散らすと、更新が届きません
- 更新の担当者を1人決める — ポリシー変更のときに文面を直す人。決めておかないと誰も直しません
問い合わせそのものを減らす設計は問い合わせを減らすページ設計にまとめました。テンプレートは「来た問い合わせを速く閉じる」道具で、件数を減らす道具ではありません。
まとめ
- テンプレートの効果は時間短縮より品質の下限を上げること
- 12パターンを用意すれば、日々の問い合わせの大半は型で閉じられる
- 謝罪から始めない(自店の責任があるときだけ)。事実→選択肢の順にする
- 期間や送料負担の数字はテンプレートに書かず、ポリシーページへリンクで逃がす
- 置き場所を1つに、更新担当を1人決める