売り切れた商品のページには、お客様が押せるボタンが何も残っていません。「カートに入れる」は消え、代わりに出るのは売り切れの表示だけです。そこに来たお客様が「入荷したら買いたい」と思っていても、その意思はどこにも記録されずに終わります。
再入荷の判断が勘になりやすいのは、この記録が無いからです。売れた数は分かるのに、売れなかった需要、つまり売り切れたあとに何人が見に来たかは残りません。
先に結論を書きます。売り切れ商品にもお気に入りボタンを置いておくと、それが再入荷の判断材料になります。専用の再入荷通知の仕組みを作るより先に、受け皿を用意するだけで需要が数字になります。
売り切れ商品ページで起きていること
在庫が切れた商品のページは、次の3つが同時に起きている状態です。
- 意思表示の手段がない — カートに入れられないので、欲しい人も何もできずに離脱します
- 再訪のきっかけがない — お客様の側もその商品を覚えておく手段がありません
- 需要が観測できない — ストア側には「アクセスはあるが売れていないページ」としか見えません
ここに置くべきなのは、購入以外の意思表示ボタンです。お気に入り(ハート)はその役割を果たします。WISHLIST MANAGER のお気に入りボタンは在庫の状態と関係なく表示されるので、売り切れの商品ページでも押せます。ログインしていないお客様でも保存できるため、「入荷したら買いたい」という意思を会員登録なしで拾えます。
管理画面の「お気に入り登録の多い商品」を見る
アプリのホームには、お気に入り登録が多い商品の上位10件が件数付きで並びます。売り切れ中の商品がこのランキングに入っていれば、それは「買えなかった人が積み上がっている商品」です。
再入荷の判断で使いやすいのは、次の見方です。
- 売り切れ商品がランキング上位にいる — 再入荷・再生産の第一候補。過去の販売数だけでは見えない需要が出ています
- 在庫があるのに上位にいる — 検討はされているが決め手が足りない商品。サイズ表や着用画像、レビューの追加が効く可能性があります
- 想定していなかった商品が上位にいる — 押し出し方(コレクションの並び、特集への掲載)を変える材料になります
数字の性質として2つ知っておいてください。ランキングは累積の保存件数で、期間で絞る機能はありません。そして集計は商品単位なので、「Mサイズだけ品切れ」のようなサイズ・カラー単位の需要は分かりません。粒度が要る商品は、結局サイズ別の在庫と販売履歴を併せて見ることになります。
通知は自動では飛ばない。告知は自分で出す
ここは正直に書いておきます。WISHLIST MANAGERは保存の受け皿と可視化までを担当するアプリで、再入荷したときにお気に入り登録者へ自動でメールを送る機能はありません。「保存されたから通知が飛ぶ」という前提で運用を組むと、入荷したのに誰にも届かない状態になります。
そのため告知は、いつも使っている経路から出します。
- 再入荷の日時を先に決める — 「入荷したら順次公開」ではなく、公開時刻を決めます
- メール・LINE・SNSで告知する — 商品ページのURLをそのまま載せます。お気に入りに入れたお客様は、その商品名を覚えています
- お気に入り一覧ページを導線に使う — ヘッダーメニューにリンクがあれば、保存した商品を見に戻ってこられます
数量が限られる再入荷なら、公開時刻を予告して同時に売り始めるやり方が向きます。時刻ぴったりに販売を開始する仕組みはShopifyで新作を発売時刻ぴったりに販売開始する方法に整理してあるので、そのまま再入荷にも使えます。
売り切れ表示と再入荷表示の見せ方
再入荷の運用をするなら、店頭側の表示も合わせておきます。
- 売り切れ中でもページを残す — 商品を非公開にすると、お気に入りの保存もアクセスも積み上がりません。売り切れ表示のまま公開しておきます
- 入荷したことが分かるようにする — 一覧に戻ってきたお客様が気づけるように、コレクションページで在庫の状態を見せます。在庫数のしきい値でバッジを自動表示する方法はNEW・SALEバッジの見せ方パターン集にまとめています
- 入荷予定が未定なら書かない — 「◯月入荷予定」は守れないと信用を落とします。決まってから書きます
導入時に確認しておくこと
設置手順そのものは操作ガイドにありますが、再入荷の用途で使うなら次の2点を確認しておいてください。
- 売り切れ商品のページでハートが表示され、押せること — お気に入りボタンのブロックは商品情報のセクション内に置きます。テーマによって売り切れ時のレイアウトが変わるため、実際に売り切れの商品ページで見ておくのが確実です
- 無料プランの上限 — お気に入りの追加はストア全体で月500件までです。人気商品が売り切れた月は追加が集中するので、上限に当たっていないかアプリのホームで確認します(お客様が保存を取り消すとその分の枠は戻ります)
まとめ
- 売り切れ商品はカートに入れられない。お気に入りが意思表示の受け皿になり、そのまま需要データになる
- アプリのホームの「お気に入り登録の多い商品」上位10件が再入荷の判断材料。累積・商品単位という粒度は理解して使う
- 再入荷の自動通知機能はない。公開時刻を決めてメール・LINE・SNSで告知する運用と組み合わせる
- 売り切れでも商品を非公開にしない。ページが残っていないと需要も再訪も拾えない