ECの訪問者の大半は、その日には買いません。ただしその中には「買わない」ではなく「まだ買わない」お客様がかなり含まれています。サイズをもう一晩迷いたい、他と比較したい、給料日まで待ちたい——理由はさまざまですが、共通するのは「この商品を覚えておきたい」というニーズです。
その受け皿がないストアでは、お客様は商品を覚えておく手段としてカートに入れるか、ブラウザのタブを開きっぱなしにするか、そのまま忘れるかになります。この記事では、「あとで買う」の受け皿としてのお気に入り機能を、どこに・どう置くと再訪につながるかを整理します。
カートは「買う直前の箱」、お気に入りは「検討の棚」
カート投入を「あとで買う」の代わりに使うお客様は実際に多いのですが、ストア側から見ると2つの問題があります。
- カートの中身は購入の意思表示と検討中が混ざり、どちらなのか区別できない
- 検討中の商品がカートに溜まっているお客様には、「カートに商品が残っています」型の訴求が逆効果になることがあります
「検討の棚」を別に用意すると、カートは購入直前の商品だけになり、お気に入りは再訪のきっかけとして機能し始めます。
設置場所は3か所。それぞれ役割が違う
WISHLIST MANAGER を前提に、設置場所ごとの役割を整理します。設置自体はテーマエディタで完結し、手順は操作ガイドにまとめています。
1. 商品ページのお気に入りボタン — 迷いの瞬間を拾う
基本の設置場所です。定番はカートに入れるボタンのすぐ近く。「買う」と「迷う」は同じ瞬間に起きるので、迷った手の行き先を隣に置いておきます。スタイルはアイコンのみ・アイコン+テキスト・ボタン型から選べるので、テーマのボタンまわりの密度に合わせて調整してください。
2. コレクションの商品カードのハート — 比較中を拾う
一覧を眺めながら「これとこれ、あとで見比べたい」という使い方を拾うのが、商品カード右上のハートです。アプリ埋め込みの設定で「商品カードにハートを表示」をオンにするだけで、ブロックの追加は不要です(Dawn系・Horizon系テーマで動作します)。
3. お気に入り一覧ページ — 再訪の着地点
保存した商品を見に戻ってくる場所です。空のページを作ってブロックを置くだけですが、ヘッダーメニューにリンクを張るところまでが設置です。導線がないと、お客様は保存したことを思い出せません。
ゲスト保存が効く理由
お気に入り機能でいちばん離脱を生むのが「保存するにはログインしてください」です。まだ買うか決めていないお客様に会員登録を求めるのは、順序が逆です。
WISHLIST MANAGERはログインしていない状態でも保存でき、あとからログインしたときにゲスト時代の保存内容がアカウントへ自動で引き継がれます。「とりあえず保存してもらう→買う段階で会員になってもらう」という自然な順序が成立します。
導入後に確認しておくこと
- ゲスト状態でハートを押して、リロード後も保存が残っていること
- ゲストで保存→ログイン→一覧ページに引き継がれていること
- 無料プランには月あたりの保存件数上限があります。お気に入りの利用が伸びてきたら、上限に当たる前にプランを見直してください
確認手順の詳細は操作ガイドにあります。