Shopifyノウハウ

Transcy と Shopify Translate & Adapt の比較。通貨が要るかで選ぶ

公開 文: RUFFLOG APPS編集部

TranscyとShopify Translate & Adaptを、2026年8月時点の掲載価格で突き合わせます。追加する言語が英語1つで通貨をMarketsに任せられるなら公式の無料アプリで足ります。無料枠の切れ方と通貨切替の有無で整理しました。

先に結論を書きます。追加する言語が英語1つだけで、通貨はShopify Markets側に任せられるなら Shopify Translate & Adapt です。 言語も通貨も同時に増やしたい、レビューアプリやページビルダーが出す文言まで訳したいなら Transcy になります。どちらも無料で始められるので、比べるべきなのは「無料かどうか」ではなく、自分のストアが無料枠のどこで先に引っかかるかです。

想定しているのは、1〜3人で運営していて、テーマの設定画面は触るけれどコードは書かないストアで、候補がこの2本に絞れている状態です。他の候補も見たいならShopify多言語・翻訳アプリ比較8選に8本を並べてあるので、そちらから戻ってきてください。この記事では2026年8月時点の掲載ページで確認できた事実だけを使い、2本を項目ごとに突き合わせます。

比較表: 価格と無料枠(2026年8月時点)

項目 Transcy: 言語翻訳と通貨 Shopify Translate & Adapt
無料枠無料プランあり。1言語・1通貨。単語数と閲覧数は無制限無料。自動翻訳はGoogle翻訳で最大2言語まで、手動翻訳は必要な数だけ追加可
有料プランローカルプラス $14.90/月(年$142.80)/リージョナル $29/月(3言語・3通貨)/コンチネンタル $69/月(15言語・15通貨)掲載なし(アプリ自体が無料)
手数料・従量AI翻訳のトークンがプランごとに月150/300/500。超過時の扱いは掲載に記載なしなし(従量の記載なし)
日本語UI対応言語に日本語あり。日本語サポート非対応の注記は掲載にない対応言語に日本語あり。ただし「この開発者は日本語での直接的なサポートを提供していません」と掲載
請求元Shopify。全額USD請求で、定期請求と使用料は30日ごと請求なし(無料)
導入方式App Storeからインストール。掲載にShopify Markets連携の記載ありShopify公式。管理画面の各リソースページとテーマエディタから直接ローカライズ
主な機能OpenAI・DeepL・Gemini・Baidu・Yandexなどのエンジンを選べる横並びエディタで翻訳を追加・編集・レビュー
147以上の言語、169以上の通貨。現地通貨でのチェックアウトも掲載同じ言語でも市場ごとにスペルや言い回しを調整できる
画像内テキストのAI翻訳、用語集管理、ジオロケーション、言語スイッチャーメタフィールド翻訳・SEO翻訳・URL翻訳。通貨機能の掲載はなし
7日間の無料体験つき(有料プラン)無料体験の記載なし(そもそも無料)

同じところ

  • どちらも無料で始められます。有料前提のアプリではありません。
  • 掲載の機能一覧で見ると、機械翻訳・翻訳の自動同期・一括翻訳・手動翻訳・メタフィールド翻訳・SEO翻訳・URL翻訳の7項目は両方に挙がっています。翻訳の基本部分は横並びです。
  • どちらも管理画面の対応言語に日本語が含まれます。設定画面が英語だけということはありません。
  • どちらも掲載ページに外部請求の注記がありません。支払いが発生する場合もShopifyの請求書にまとまります。

違うところ

無料枠の切れ方が逆向きです。 Transcyの無料プランは1言語・1通貨で、その代わり単語数と閲覧数が無制限と掲載されています。Translate & Adaptは自動翻訳が最大2言語までで、手動翻訳なら必要な数だけ言語を足せます。つまり翻訳だけを見るなら、無料枠は公式のほうが広いです。日本語ストアに英語と中国語(簡体字)を足す構成は、公式の自動翻訳2言語にちょうど収まりますが、Transcyの無料プランでは1言語で止まります。逆にTranscyの無料プランには通貨の切り替えが1通貨ぶん含まれているので、「英語1言語+米ドル表示」だけを無料でやりたいなら、こちらでしか成立しません。

通貨を持つか持たないかが、この2本の最大の差です。 Translate & Adaptの掲載機能に通貨関連の項目はひとつもありません。翻訳とローカライズだけを受け持つアプリです。Transcyは通貨換算・複数通貨・リアルタイムレート・価格の端数処理・国セレクター・現地通貨でのチェックアウトまで機能一覧に並び、169以上の通貨に対応と掲載されています。通貨数はプランに連動して1・1・3・15と増えます。言語と通貨をセットで増やしていく計画があるなら、アプリを2本に分けずTranscy1本にまとめる形が取れます。

有料に上がった先で増えるものが、掲載のプラン欄からはっきり読み取れます。 Transcyの無料プランに挙がっているのは1言語・1通貨・基本スイッチャー設定・サードパーティアプリ翻訳・Shopify決済連携までで、「翻訳編集」「AI翻訳エンジン」「多言語SEO」が項目として現れるのはローカルプラス($14.90/月)以降です。さらにリージョナル($29/月)で用語集20件と自動翻訳プロセス、コンチネンタル($69/月)で用語集200件・ジオロケーション・自分のDeepL/OpenAI/Gemini APIキーの持ち込みが加わります。Translate & Adaptには有料プランがないので、機能は掲載されている範囲で固定です。増える代わりに、増やせないという意味でもあります。

守備範囲の形も違います。 Transcyは無料プランの時点で「サードパーティアプリ翻訳」が項目に入り、連携先としてレビューアプリやページビルダーの名前が掲載されています。他のアプリがストアフロントに出す文言まで翻訳対象にできる、という掲載です。画像内の文字をAIで差し替える画像翻訳も掲載にあります。Translate & Adaptの連携先はShopify管理画面のみで、画像翻訳の掲載はありません。一方で公式にだけあるのが「Adapt」の部分です。同じ言語でも市場ごとにスペルや言い回しを変える機能で、英語圏をアメリカとイギリスに分けて出し分ける、といった使い方が掲載されています。この項目はTranscyの掲載にはありません。

Shopify Markets との役割分担

混乱しやすいので整理しておきます。どの国に売るか、いくらで見せるか、どのドメインやサブフォルダを使うかを持っているのはShopify Marketsという本体機能で、アプリではありません。Translate & Adaptはその上に乗って、市場ごとの言語に翻訳を流し込む役割だけを担います。Shopify Paymentsの多通貨決済を有効にしているなら、通貨はMarkets側で完結するので、アプリの通貨切替を重ねて持つ必要はありません。 Transcyの掲載にもShopify Markets連携の記載があるので、こちらを選ぶ場合も器はMarketsのままです。通貨の二重管理を避けたいなら、まずMarketsで何が決まっているかを確認してから、足りない分をアプリで埋めてください。海外に売るなら送料が決まっていないと注文が止まるので、配送料の設計も同時に詰めておくと手戻りが減ります。

Transcy が合う店

  • 言語を3つ以上に増やす予定があり、通貨の切り替えも同時に要る店。リージョナル$29/月で3言語・3通貨、コンチネンタル$69/月で15言語・15通貨です。
  • レビューアプリやページビルダーが出す文言まで訳したい店。無料プランから「サードパーティアプリ翻訳」が掲載項目に入っています。
  • バナー画像に文字を焼き込んでいて、画像内のテキストも訳したい店。画像翻訳の掲載があるのはこちらだけです。
  • 訳語を固定したい店。用語集管理はリージョナル20件、コンチネンタル200件と掲載されています。

Shopify Translate & Adapt が合う店

  • 追加する言語が英語1つ、あるいは自動翻訳2言語で足りる店。無料のまま商品数や単語数の上限を気にせず使えます。
  • 通貨はShopify Paymentsの多通貨決済とMarketsに任せる方針が決まっている店。アプリ側に通貨機能は要りません。
  • 翻訳を自分たちの手で書きたい店。手動翻訳は言語数の制限なく足せますし、横並びエディタで原文と訳文を見比べられます。
  • 英語圏をアメリカとイギリスで出し分けたい店。同じ言語で市場ごとに言い回しを変える機能は、この2本では公式にだけ掲載されています。

まとめ

  • 翻訳だけを見るなら無料枠が広いのは公式です。自動翻訳2言語+手動は言語数無制限で、Transcyの無料プランは1言語です。
  • 通貨切替が要るかどうかで、ほぼ決まります。Translate & Adaptの掲載機能に通貨の項目はひとつもなく、通貨・価格・ドメインはShopify Markets側の担当です。アプリと二重に持たせないでください。
  • Transcyで「翻訳編集」「多言語SEO」が掲載項目に現れるのはローカルプラス$14.90/月からです。無料プランの範囲を先に確認してください。
  • 他アプリが出す文言や画像内の文字を訳したいなら、掲載で確認できるのはTranscyのほうです。
  • 全カテゴリの一覧はShopifyアプリの選び方まとめにあります。翻訳版を増やす前に元の日本語ページを整えるならShopifyのSEO設定も先に確認してください。

参照元

価格・無料枠・対応言語は、次のShopify App Store掲載ページを2026年8月25日に確認したものです。

Transcy: 言語翻訳と通貨・Shopify Translate & Adapt

RUFFLOG APPS編集部

株式会社RUFFLOG ECアプリ事業部

自社でアパレルECを運営する株式会社RUFFLOGのShopifyアプリ開発チームです。自社ストアの運用で実際に困ったことを、そのままアプリと記事にしています。