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ShopifyとBASE、アパレルECはどちらで始めるか。料金の実額と損益分岐で選ぶ

公開 文: RUFFLOG APPS編集部

これからアパレルECを始める事業者向けに、ShopifyとBASEの料金を2026年8月時点の公式価格で比較します。月商いくらで費用が逆転するかを計算過程つきで概算し、どちらが向くかの判断軸を整理しました。

これからアパレルECを立ち上げるとき、ShopifyとBASEのどちらで始めるかは最初の分かれ道です。

先に結論を書きます。分けるのは機能の好みではなく月商です。BASEは月額0円で手数料が高め、Shopifyは月額固定で手数料が低め。この構造の違いから、月商がある水準を超えるとShopifyのほうが総費用で安くなります。後述の前提で概算すると、その分岐はおよそ月商10万〜14万円です。まだ売れるかどうか分からない段階ならBASE、月商数十万円が現実的に見えているならShopify、というのが費用面から見た基本線になります。

そのうえでアパレルには、費用以外にShopifyへ傾く事情(色×サイズの在庫管理、越境、テーマのカスタマイズ)があります。順に見ていきます。

料金を実額で並べる(2026年8月時点)

まず両社の公式料金ページに載っている数字をそのまま並べます。いずれも2026年8月時点の公表値です。

BASE(スタンダードプラン/グロースプラン)

項目スタンダードグロース
初期費用0円0円
月額費用0円19,980円(年払いなら月あたり16,580円)
決済手数料3.6%+40円/件2.9%
サービス利用料3%0円

スタンダードプランは注文のたびに「3.6%+40円」と「3%」の両方がかかるので、実質はおよそ6.6%+40円/件です。PayPay・Amazon Pay・PayPal決済ではさらに1%が加算されます。このほか売上金を引き出す際に、振込手数料が一律250円、申請額が2万円未満の場合は事務手数料500円がかかります。

Shopify(主要プラン)

項目ベーシックグロー
月額費用(月払い)4,850円13,500円
月額費用(年払い・月あたり)3,650円10,100円
オンライン標準カード決済手数料3.55%3.4%

決済手数料はShopify ペイメント利用時の国内標準カード・JCBの料率で、Amexと海外発行カードはベーシックが3.9%、グローが3.85%になります。Shopify ペイメント以外の外部決済サービスを使う場合は、決済会社側の手数料に加えてShopifyへの取引手数料(ベーシックで2%)が別にかかるため、基本はShopify ペイメントを前提に考えるのが素直です。売上金の振込に手数料はかかりません。

構造をひとことで言うと、BASEスタンダードは完全な変動費型、Shopifyは固定費+低率の変動費型です。だから月商が小さいうちはBASEが安く、大きくなるとShopifyが安くなります。問題は、その逆転が月商いくらで起きるかです。

損益分岐: 月商いくらで逆転するか

前提を置いて概算します。客単価8,000円(送料を含む1注文あたりの合計金額。アパレルの自社ECでよくある帯)、決済はすべてクレジットカード、ShopifyはベーシックプランをShopify ペイメントの標準料率3.55%で月払い、という条件です。BASE側の振込手数料(250円/回、2万円未満の申請は事務手数料500円)は回数が運用次第なので、この比較には含めていません。振込のたびに数百円が上乗せされるぶん、実際のBASEの費用はここでの計算より少し増えます。

BASEスタンダードの販売時手数料は「月商×6.6%+40円×注文件数」。客単価8,000円なら40円は月商の0.5%に相当するので、合計で月商の約7.1%になります。Shopifyベーシックは「4,850円+月商×3.55%」。両者が並ぶのは、料率差3.55%ポイントぶんの金額が月額4,850円に追いつく点、つまり4,850円÷3.55%=月商およそ13.7万円です。年払い(月あたり3,650円)なら分岐はおよそ月商10.3万円まで下がります。

月商別に実額で見るとこうなります。

月商BASE スタンダードShopify ベーシック(月払い)
10万円約7,100円約8,400円
15万円約10,650円約10,175円
20万円約14,200円約11,950円
50万円約35,500円約22,600円

月商10万円ではBASEが安く、15万円でほぼ並び、そこから先は差が開き続けます。月商50万円では月あたり約1.3万円、年に直すと15万円を超える差です。

ただしこの分岐点は前提しだいで動きます。客単価が低いほど40円/件の比重が上がってBASE側の実質料率が上がり、分岐は下(より小さい月商)にずれます。逆に、Shopify側でテーマの購入や有料アプリの月額が乗れば固定費が増え、分岐は上にずれます。決済の構成(Amexや海外カード、PayPayなど)でも両側の料率は変わります。「月商10万円を超えたら即Shopifyが得」と断定できる話ではなく、10万〜20万円のあいだに自分の店の分岐がある、くらいの精度で捉えてください。

なお月商が伸びてもBASEに留まる道として、月額を払って手数料を2.9%に下げるグロースプランがあります。固定費と料率のバランスはShopifyベーシックに近づくため、この規模になったら「BASE内で上のプランに上がるか、Shopifyに移るか」を機能面で比べて決めることになります。

BASEが向くケース

費用の分岐だけ見るとShopify有利に読めますが、これから始める人の多くにとって、最初の問いは「月商いくらか」ではなく「そもそも売れるのか」です。この段階ではBASEに分があります。

月額0円という意味は、売れない月のダメージがゼロということです。アパレルは立ち上げ直後の売上が読みにくく、最初の数か月が月商数万円で推移することは珍しくありません。その期間に固定費を燃やさずに済むのは、資金の薄い立ち上げ期には効きます。売れなかったとしても失うのは時間だけで、撤退の判断も軽くなります。

開店までの手数も違います。BASEは決済がはじめから組み込まれていて、審査や決済まわりの設定に悩む場面がほとんどありません。管理画面も日本語前提で作られており、ネットショップ運営が本業でない人でも迷いにくい構成です。副業や実店舗の傍らで、商品登録から公開までを1日で終えたいならBASEのほうが速く着きます。

まとめると、まず売れるか試したい・月商がまだ小さい・運営に割ける手間を最小にしたい、のどれかに当てはまるならBASEスタートが合理的です。これは消去法ではなく、テスト段階に最適化されたプラットフォームを選ぶという積極的な判断です。

Shopifyが向くケース

月商数十万円が現実的に見えている、あるいは最初からアパレルを事業として組み立てるつもりなら、Shopifyを検討する価値があります。理由は費用の逆転だけではありません。

アパレルは他のジャンルより在庫管理が重い商材です。1つの商品が色×サイズで10〜30のSKUに割れ、売り切れ・再入荷・セール移行がSKU単位で起きます。Shopifyはバリエーションごとの在庫追跡や複数ロケーション(倉庫と実店舗など)の在庫管理を標準で持ち、外部の倉庫システムやPOSとの連携もアプリで組めます。規模が出てきたときに「管理の仕組みごと引っ越す」必要が生まれにくい設計です。

カスタマイズの余地も広く、テーマのコードに手を入れられるため、ブランドの見せ方や販売の仕方を細かく作り込めます。たとえば新作の発売時刻ぴったりに販売を解放する、代引きの手数料や地域を細かく制御する、といったアパレル運用で実際に出てくる要件も、発売時刻の記事や代引き設定の完全ガイドで書いているとおりShopify側では組み方があります。多通貨・多言語の越境販売に進む場合も同様です。

このサイトを運営する株式会社RUFFLOGも、自社のアパレルECをShopifyで運営しています。その経験から言えるのは、Shopifyの強みは「伸びたときに天井が来ない」ことで、裏返すと立ち上げ期には過剰装備になりうる、ということです。固定費に加えて、テーマやアプリの選定・設定という初期の手間は確実にBASEより重くなります。

色×サイズの在庫管理をきちんとやりたい・月商数十万円以上を狙う・ブランドの世界観や販売方法を作り込みたい・将来は越境や実店舗連携まで視野にある。このあたりに複数当てはまるなら、Shopifyの固定費は先行投資として回収の目処が立ちます。

まとめ

判断軸を整理します。月商がまだ読めないならBASEで始めて、売れることを確かめる。月商が10万〜20万円の帯に乗ってきたら、自分の客単価と決済構成で総費用を計算し直す。そこにアパレル特有の在庫管理・カスタマイズの要件が重なってきたら、Shopifyへの切り替えを具体的に検討する。この順番で考えれば大きく外しません。

なおBASEからShopifyへの移行は後からでも可能で、商品データはCSVなどで移せます。ただし独自ドメインを使っていない場合はストアのURLが変わるため、検索エンジンからの評価やSNS・外部サイトに貼られたリンクは作り直しに近くなります。移行を少しでも視野に入れるなら、BASEの時点で独自ドメインを設定しておくと、後の引っ越しがかなり軽くなります。

最後にもう一度。料金は2026年8月時点の公表値です。両社とも改定があるので、契約前に公式の料金ページで最新の数字を確認してください。

RUFFLOG APPS編集部

株式会社RUFFLOG ECアプリ事業部

自社でアパレルECを運営する株式会社RUFFLOGのShopifyアプリ開発チームです。自社ストアの運用で実際に困ったことを、そのままアプリと記事にしています。