Shopifyノウハウ

沖縄・離島の送料をどう設計するか。都道府県単位でしか分けられない前提で組む

公開 文: RUFFLOG APPS編集部

Shopifyの配送エリアは都道府県単位までで、郵便番号単位の指定ができません。沖縄・北海道の追加送料、離島の中継料をどう扱うか、注文を取ってから追加請求しない設計の作り方を整理します。

沖縄と離島の送料は、日本のECで最初につまずく場所です。配送会社の料金表には離島中継料があるのに、Shopifyの配送設定にはそれを表現する場所が見当たりません。

先に結論を書きます。通常の配送料(配送プロファイルの配送エリア)で指定できるのは都道府県までで、郵便番号単位のエリアは作れません。そのため設計は次の3択になります。

  1. 都道府県単位で追加送料を取る(沖縄・北海道を別エリアにする)— 標準機能で完結する
  2. 全国一律にして中継料を自店が飲む — 設定は最も単純。粗利で吸収できるかが判断軸
  3. 離島は配送対象外にする — エリアを作らない。注文自体が取れなくなる

やってはいけないのは、注文を受けてから追加送料を請求する運用です。お客様体験として悪いだけでなく、キャンセル対応の工数がそのまま乗ります。

なぜ郵便番号で分けられないのか

Shopifyの配送エリア(ゾーン)は「国」と「地域」の組み合わせで作る仕組みです。日本の場合、地域は都道府県に対応します。管理APIの配送エリアも同じ構造で、郵便番号のフィールドを持ちません。

例外があるのはローカル配送(自店で配達する近隣配送)です。こちらは配達エリアを郵便番号のリストで指定できます。ただし宅配便で全国に送る通常の配送料とは別の仕組みなので、離島の中継料をここで表現することはできません。郵便番号単位で送料を分けたい場合は、配送料を計算するアプリを使うことになります。

つまり「鹿児島県の本土は通常送料、同じ県内の離島だけ中継料を足す」という表現ができません。県ごと同じ扱いにするか、県ごと分けるかの二択になります。

同じ制約は決済の出し分けにも効いてきます。地域条件を持っているのは配送側だけなので、地域で代引きを止めたい場合も配送エリアから閉じることになります(沖縄・離島だけ代引きを無効にする方法)。

設計1: 都道府県単位で追加送料を取る

いちばん一般的な形です。沖縄県と北海道を本土から切り出して、それぞれに高めの送料を置きます。

手順の要点は3つです。

  1. 本土エリアの地域一覧から、沖縄県・北海道のチェックを外す
  2. 沖縄県のエリア、北海道のエリアを新規作成する
  3. 新しいエリアに必ず送料を作る

3番目を忘れると、その地域の住所ではチェックアウトが配送エラーになり注文が取れません。エリアを分けたあとは、必ずその地域の住所でチェックアウトまで進んで確認してください。設定の全体像はShopifyの送料設定の設計にまとめています。

この形の弱点は、県内の本土と離島を区別できないことです。鹿児島県や長崎県のように本土と離島の両方を持つ県では、県全体を高い送料にすると本土のお客様が損をし、通常送料にすると離島発送で赤字が出ます。

設計2: 全国一律にして中継料を飲む

離島の注文が全体のごく一部なら、これがいちばん安く済みます。設定が単純で、案内する文章も1行で済み、CSの往復も発生しません。

判断はコストの比較でします。

  • 離島発送の年間件数 × 1件あたりの中継料 — 飲む金額
  • 設定を分けた場合の運用コスト — エリア管理、案内文、問い合わせ対応、赤字注文の確認

年に数件で1件あたり数百円から千円台なら、飲んだほうが安いことは珍しくありません。飲むと決めたなら、送料無料ラインの計算にその分を織り込んでおきます。

設計3: 配送対象外にする

大型商品や重量物で、中継料が商品価格に対して大きすぎる場合の選択です。エリアを作らなければ、その地域の住所ではチェックアウトが成立しません。

この場合は必ず、配送・送料のご案内ページに書いておきます。「一部地域(離島など)はお届けできない場合があります」と書いてあるかどうかで、問い合わせの質が変わります。書かずにエラーだけ出すと、お客様は自分の入力ミスだと思って何度も試します。

商品によって可否が分かれるなら、配送プロファイルを商品グループごとに分けるのが正解です。大型商品だけ別プロファイルにして、離島エリアを持たせない構成にできます。

追加請求をしないための最後の砦

どの設計でも、想定外の住所が来ることはあります。そのときに追加請求へ流れないよう、次の2つを用意しておきます。

  • 配送案内ページに条件を書く — 追加送料が発生する地域、対応できない地域を明記する
  • 注文直後に気づける状態にする — 住所の不備や想定外の地域を早く見つけられれば、出荷前に連絡できます

住所欄の設計とチェックアウトで不備を捕まえる範囲はECの住所入力ミスを減らすに、実装は日本の住所チェッカーにまとめています。地域の判定そのものは配送設定の仕事ですが、「そもそも届かない住所」を出荷前に潰しておくと、離島対応の判断も落ち着いてできます。

まとめ

  • 通常の配送料の配送エリアは都道府県まで。郵便番号単位で分けたいならローカル配送かアプリの領域
  • 設計は「県単位で追加送料」「全国一律で飲む」「配送対象外」の3択
  • エリアを分けたら送料を作る。忘れるとその地域の注文が取れない
  • 件数が少なければ飲むほうが安いことも多い。運用コストまで含めて比較する
  • どの設計でも配送案内ページに条件を書く。注文後の追加請求は最後の手段にしない

RUFFLOG APPS編集部

株式会社RUFFLOG ECアプリ事業部

自社でアパレルECを運営する株式会社RUFFLOGのShopifyアプリ開発チームです。自社ストアの運用で実際に困ったことを、そのままアプリと記事にしています。