「お届け日を指定できますか」という問い合わせは、ギフトや高額商品を扱っていると定期的に来ます。管理画面を探しても、その設定は見つかりません。
先に結論を書きます。Shopifyの標準チェックアウトには、お届け日や時間帯を選ばせる入力欄がありません。対応の選択肢は3つで、どれを選ぶかは「その希望を守れるか」で決まります。
- 注文メモで受ける — 無料。ただし希望であって確約ではないと伝える必要がある
- アプリで日付選択の欄を足す — 有料。UIとして正しく、CSの往復が減る
- 受けない — 「日時指定は承っておりません」と明記する。これも正当な選択
いちばんまずいのは、受けるとも受けないとも書いていない状態です。問い合わせだけが増え、対応も人によってばらつきます。
なぜ標準機能にないのか
Shopifyのチェックアウトは、配送方法(配送レート)を選ぶ画面までしか標準の入力欄を持ちません。お届け日は配送会社側の受け付け条件に依存するため、プラットフォーム側で一律に欄を用意しても実現性を保証できないからです。
そのため日本のECでよく見る「カレンダーから配達日を選ぶ」UIは、アプリかチェックアウトのUI拡張(Plus)で足すことになります。テーマ側(カート画面)に自分で欄を作る方法もありますが、その値をどこに持たせるかは次の節の話になります。
選択肢1: 注文メモで受ける
いちばん軽い方法です。カートページに「注文メモ」の欄を出し、そこに希望日を書いてもらいます。Dawn系のテーマなら、テーマエディタのカートの設定で注文メモを有効にできます。
メリットは無料で今日からできること。デメリットは3つあります。
- 自由入力なので表記がばらつく — 「来週の土曜」「なるべく早く」など、そのままでは処理できない書き方が混ざります
- 見落としが起きる — 注文メモは管理画面の注文詳細に表示されますが、出荷作業のフローに組み込んでおかないと読み飛ばされます
- 確約ではない — 配送会社の状況で守れないことがあります
運用でカバーするなら、次の3点をセットにします。
- カートの案内文に受付可能な範囲を書く(例: 「発送日から3日目以降・7日以内でご指定ください」)
- 注文メモに希望が入っている注文を出荷前に必ず確認する手順を作る
- 「ご希望として承ります。確約ではありません」と明記する
選択肢2: アプリで日付選択の欄を足す
件数が多い、ギフト需要が主力、という場合はアプリで欄を作るほうが安全です。カレンダーから選ばせる形になるので表記がばらつかず、指定不可の日(定休日、配送会社の休業日)を先に潰せます。
導入時に確認したいのは次の3点です。
- どこに欄が出るか — カートページか、チェックアウト内か(チェックアウト内はPlus限定の領域です)
- 指定不可日を設定できるか — 定休日と発送準備日数を反映できないと結局守れません
- 値がどこに入るか — 注文の属性やメモに入る形が扱いやすいです。ただし出荷ツールや送り状の出力で実際に読めるかは連携先ごとに違うので、テスト注文を1件通して確認してください(Shopify標準の明細表テンプレートは注文属性を参照しません)
選択肢3: 受けないと決める
小規模なストアでは、これがいちばん健全な場合もあります。1日の出荷が数件で、担当者が1人なら、日時指定の管理コストが売上の増分を上回ることがあるからです。
受けないと決めたら、次の2か所に書きます。
- 配送・送料のご案内ページ — 「お届け日・時間帯のご指定は承っておりません」
- 注文確認メール — 発送予定と、追跡番号での再配達依頼の案内
そのうえで、配送会社の仕組みに逃がすのが実務的です。発送後に追跡番号から受取日時を変更できる配送会社が多く、お客様側で調整してもらうほうが確実です。この案内を最初から書いておくと、問い合わせがそこで止まります。
どれを選んでも必要な「発送までの日数」の明示
日時指定を受けるかどうかに関わらず、いつ発送するのかは書く必要があります。ここが曖昧なままだと、日時指定の可否だけを整えても問い合わせは減りません。書き方は発送までの日数の書き方にまとめました。
ギフト需要が読めている時期(母の日、クリスマス)は、期間限定で「◯月◯日までのご注文は◯日までにお届け」という締切だけを告知する運用もあります。日時指定の仕組みを作るより軽く、効果は出やすい方法です。
まとめ
- Shopifyの標準チェックアウトにお届け日・時間帯の欄はない
- 選択肢は、注文メモで受ける/アプリで欄を足す/受けないの3つ。決めて明記するのが最優先
- 注文メモで受けるなら、受付可能な範囲・出荷前の確認手順・確約ではない旨をセットにする
- 受けない場合は、配送会社の受取日時変更に案内を逃がすと問い合わせが止まる
- どの選択肢でも「発送までの日数」の明示が前提になる