アパレルECの返品理由を集計すると、たいていサイズ違いが1位になります。そして返品対応のコストを払いながら、サイズ表は最初に作ったフォーマットのまま何年も使われていることが多いです。
先に結論を書きます。サイズ表に必要なのは次の3点です。
- 実寸(cm)— S/M/Lだけでは判断できません
- 測り方の説明 — 同じ「身幅」でも測る位置が違えば数字は変わります
- 着用者の情報 — 身長・体重・普段のサイズ・着用サイズ
このうち2番目と3番目が抜けている店が多く、そこが返品の温床になっています。
実寸は「使うものだけ」出す
アイテムによって、購入判断に使う寸法は違います。全項目を並べるより、判断に効く項目に絞ったほうが読まれます。
- トップス(Tシャツ・シャツ) — 着丈、身幅、肩幅、袖丈
- アウター — 着丈、身幅、肩幅、袖丈、(あれば)裄丈
- パンツ — ウエスト、股上、股下、わたり幅、裾幅
- スカート・ワンピース — 着丈、ウエスト、(ワンピースは)身幅
- バッグ — 高さ、幅、奥行き、ハンドルの長さ、ショルダーの長さ
同じカテゴリなら項目を固定します。商品ごとに項目が変わると、お客様が比較できません。
測り方を図か文で必ず添える
「身幅54cm」は、どこを測ったかが分からないと使えません。脇下すぐか、胸の一番広い位置かで数センチ変わります。
理想は測り方の図です。用意できない場合は、文章でも構いません。
着丈: 肩の縫い目の最も高い位置から裾まで
身幅: 脇の下の縫い目から縫い目までを平置きで
肩幅: 肩の縫い目から縫い目まで
袖丈: 肩の縫い目から袖口まで
図を1枚作れば全商品で使い回せます。カテゴリごとに1枚あれば足ります。サイズ表を画像で載せる場合は、alt属性に内容を書くことも忘れないでください(数字が読めないと判断できないので、優先度が高い画像です)。
あわせて「平置きでの実寸です」「実寸には1〜2cmの誤差が生じる場合があります」の2行を添えます。誤差の許容を書いておくと、1cm違うという問い合わせが止まります。
着用者の情報が「Mでいいか」を決める
実寸だけでは、自分に合うかを判断できないお客様が多数です。そこを埋めるのが着用情報です。
モデル: 身長176cm / 体重62kg / 普段のサイズ M
着用サイズ: M(ゆとりのある着用感)
「普段のサイズ」を書くのが要点です。ブランドによってM の実寸は違うので、モデルが普段どのサイズを着る人なのかが分かると、読み手は自分との差分を計算できます。
複数サイズで撮影できるなら、同じ商品を2サイズで着用した写真が最も効きます。撮影コストはかかりますが、返品率への効きは大きい部分です。撮影の優先順位は商品画像は何枚・どの順番で並べるかに整理しました。
商品ページ「内」に置く
サイズガイドを別ページにしてリンクだけ置くと読まれません。実寸は商品ページの中に置きます。
- 商品説明の中に表として置く — いちばん確実です。テンプレート化すれば入力の手間も抑えられます
- タブやアコーディオンに入れる — 見た目は整いますが、開かれない分だけ効果が落ちます。閉じた状態でも「サイズ(実寸)」と分かるラベルにしてください
- 別ページのサイズガイド — ブランド共通の測り方や、サイズ選びの考え方を置く場所として使います。個別の実寸はここに置かない
表のHTMLは崩れやすい部分です。列数を揃え、幅は指定せず、スマートフォンで横スクロールできる形にしておきます。アイテムごとに項目が違うなら、表を分けたほうが読めます。
迷ったときの案内を用意する
サイズ表を整えても「MとLで迷う」は残ります。ここを問い合わせで受けるか、ページで先に答えるかで工数が変わります。
- 迷ったときの指針を1行書く — 「ゆったり着たい場合はワンサイズ上をおすすめします」
- サイズ交換の条件を書く — 交換できると分かれば、迷ったまま買ってもらえます。条件は返品・交換ポリシーの作り方のとおり明記します
- 問い合わせ用の案内を置く — 「身長・体重・普段のサイズをお知らせいただければ、おすすめのサイズをご案内します」
3番目は購入前の相談なので、減らすべき問い合わせではありません。答えれば売れる見込み客です(問い合わせを減らすページ設計)。
効果の測り方
サイズ表を直したら、返品理由の構成で確認します。
- サイズ違いの返品件数(全返品に対する比率)
- サイズに関する問い合わせ件数
- 直した商品カテゴリと、直していないカテゴリの比較
全商品を一度に直すのは無理なので、返品が多いカテゴリから着手して、効いたら横に広げるのが現実的です。
まとめ
- 必要なのは実寸・測り方・着用者の情報の3点。S/M/Lだけでは判断できない
- 項目はカテゴリごとに固定する。商品ごとに変えると比較できない
- 測り方の図はカテゴリごとに1枚作れば使い回せる。画像で出すならaltも書く
- 着用情報は「普段のサイズ」まで書く。2サイズ着用写真がいちばん効く
- 実寸は商品ページ内に置く。別ページのサイズガイドは考え方の置き場所にする
- 効果は返品理由の構成で測る。返品が多いカテゴリから直す