アプリは必要になったときに入れるので、増える一方です。そして「これは何のために入れたのか」が分からないアプリが3つ以上ある状態になります。
先に結論を書きます。棚卸しは次の順でやります。
- 一覧を作る(アプリ名・月額・入れた目的・今使っているか)
- 使っていないものを消す — 課金だけでなくトラブルの原因も減ります
- 消したあとに残骸を確認する — テーマとチェックアウトを実際に見る
3番目を飛ばすと、消したのに表示が崩れたままになります。
1. 一覧を作る
管理画面の「アプリ」から、インストール済みのアプリを一覧できます。スプレッドシートに次の項目で書き出してください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| アプリ名 | |
| 月額 | 請求書で確認する。無料と思っていて課金されている場合がある |
| 入れた目的 | 分からないなら「不明」と書く |
| 今使っているか | 管理画面を最後に開いたのはいつか |
| ストアフロントに出ているか | 商品ページ・カートで見えるか |
月額は、Shopifyの請求書(管理画面の「設定」→「請求」)で実額を確認するのが確実です。アプリ側の表示では、トライアルのままだと分かりません。
2. 消す前に確認すること
いきなりアンインストールすると、次の3つで困ることがあります。
- データが消える — レビュー、お気に入り、ポイントなど、アプリ側に溜まっているデータはアンインストールで失われることがあります。エクスポートできるならしておく
- 他のアプリが依存している — 在庫連携や配送連携は前後の関係があります
- 課金の締め — 止まり方と返金の扱いは次の節にまとめました
レビューアプリを乗り換える場合は、既存レビューのエクスポートとインポートが最大の作業になります。移行の考え方はShopifyレビューアプリ比較に触れています。
3. アンインストールの操作と、課金の止まり方
操作自体は管理画面で完結します。[設定] → [アプリ] を開き(手順1で一覧を作ったのと同じ画面です)、外したいアプリの横のメニューから「アンインストール」を選び、確認画面でもう一度「アンインストール」を押します。途中で理由を選ぶ欄が出ますが、選ばずに進めます。解約の申請を別に出す必要はありません。アンインストールが解約を兼ねます。
課金は次のように分かれます。
- 今後の定期請求はキャンセルされる — 外した時点で以降の請求は止まります
- 当期の請求は発生することがある — 締めのタイミング次第で、外したあとに1回だけ請求が来ます
- 返金が必要なら外す前に問い合わせる — Shopify経由の請求でも、返金の判断はアプリ開発者側です
- Shopify外で決済しているアプリは止まらない — アプリ側のサイトでカードを登録したものが該当します
最後のパターンが一番取り逃がします。Shopifyの請求書に出てこない支払いは、管理画面をどれだけ見ても見つかりません。心当たりがあるなら、カードの明細から探すほうが早いです。
アプリ側に溜まったデータについては、Shopifyが開発者へ2段階で通知します。外した直後に「アンインストールされた」という通知が飛び、その48時間後に店舗データの削除を求める通知(shop/redact)が飛びます。私たちが提供しているアプリも、2通目を受けて店舗の設定と契約情報を消す作りです。
つまり、間違って外したときに設定が残っている可能性があるのは48時間が目安です。ただし実装はアプリごとに違うので、戻せる前提では考えないでください。
4. アンインストールで消えるものと残るもの
ここが最も誤解されている部分です。
自動的に消えるもの。 テーマアプリ拡張(アプリブロック・アプリ埋め込み)は、アプリを削除すると自動的にテーマから外れます。テーマのコードに書き込まれていないので、残骸は残りません。
残るもの。 次のパターンでは、アプリを消してもコードや設定が残ります。
- テーマのコードを直接編集して導入したアプリ — 導入時に「テーマにコードを追加」の作業があったものが該当します。手で消す必要があります
- メタフィールドに書かれたデータ — 商品に紐づいた設定などは残ることがあります
- 商品タグ — アプリが自動付与していたタグは残ります
- Web Pixel・スクリプト — 計測系のアプリはここに残ることがあります
つまり、古いアプリを消すほど残骸が出やすい構造です。導入時にテーマファイルを編集したかどうかを、一覧の段階でメモしておくと後が楽になります。
5. 消したあとの確認
アンインストールしたら、実際に画面を見て確認します。
- 商品ページ・コレクション・カート — 表示が崩れていないか、消えたはずのボタンが残っていないか
- チェックアウト — テスト注文まで通す
- モバイル — PCだけ見て終わらせない
- テーマのコード — アプリ名やそれらしいコメントで検索して、残骸を探す
テーマのコードを触る前に、テーマを複製してバックアップしてください。消してはいけないコードを消すと、復旧に時間がかかります。
表示速度への効き方
「アプリを減らせば速くなる」と言われますが、正確にはアプリの種類で違います。
- ストアフロントにJavaScriptを読み込むアプリ — 影響します。数が増えるほど遅くなります
- 管理画面だけで動くアプリ(帳票、在庫管理、CS)— ストアフロントには影響しません
- テーマにコードを追加するアプリ — 実装次第です
つまり、棚卸しで速度の改善を狙うなら、ストアフロントに出ているアプリから見ます。管理画面専用のアプリをいくら消しても表示速度は変わりません。
速度の測り方は、スコアを追うより実害で見るのが実務的です。極端に遅いページが無いか、画像が大きすぎないか。テーマに貼った巨大な画像のほうが、アプリより影響が大きいことも珍しくありません(Shopify SEO対策の全体像)。
入れる前の判断を型にする
棚卸しが終わったら、次に増えないようにします。判断の質問を3つ決めておくのが簡単です。
- この機能は何を減らすのか(作業時間、問い合わせ、機会損失)
- ストアフロントに出るか — 出るなら速度と表示崩れのリスクを見る
- やめるときにデータをどうするか — エクスポートできるか
3番目を入れておくと、乗り換えのときに詰みません。無料トライアルで入れたまま忘れるパターンも、「入れた目的」を一覧に書く運用にしておけば減ります。
まとめ
- 棚卸しは一覧を作る → 消す → 残骸を確認するの3手順
- 外す操作は**[設定] → [アプリ] → アンインストール**。解約の申請は別に要らない
- 定期請求は止まるが、当期分は請求されることがある。Shopify外で決済しているアプリは別途解約する
- 月額はShopifyの請求書で実額を確認する。無料と思って課金されていることがある
- テーマアプリ拡張は自動で外れる。テーマを直接編集して入れたアプリは残骸が残る
- 消したら商品ページ・カート・チェックアウト・モバイルを実際に確認する
- 速度を狙うならストアフロントに出ているアプリから。管理画面専用は関係ない
- 入れる前の質問を3つ決めて、増えない運用にする